宮下 雄一郎 教授

経歴:
1977年生まれ。2000年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2002年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了。2004年、パリ政治学院大学院20世紀史研究所専門研究課程(Diplôme d’études approfondies, DEA)修了。2006年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程単位取得退学。2008年、博士(法学、慶應義塾大学)を取得。2012年、パリ政治学院大学院歴史学研究所修了、博士(史学)を取得。日本学術振興会特別研究員(PD)、北海道大学大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター協力研究員、松山大学法学部法学科講師、同大学准教授を経て、法政大学法学部国際政治学科教授

主要研究業績:
『フランス再興と国際秩序の構想―第二次世界大戦期の政治と外交』(勁草書房、2016年)
“Jean Monnet et les conflits sino-japonais des années 1930,” in Gérard Bossuat (sous la direction de), Jean Monnet et l’économie (Bruxelles : Peter Lang, 2018)
“Pechkoff et le Japon, 1946-1949,” Relations internationales, n°158 (juillet-septembre 2014)

宮下 雄一郎 教授01

担当科目

国際地域研究(ヨーロッパ)(1)(2)

専門領域

国際関係論、国際関係史、戦争史

研究テーマ

国際秩序構想史、フランス・アジア関係史

研究者になろうと思ったきっかけは

小学生の時に父親の転勤に伴い、5年半にわたりフランスに住んでいたのですが、現地で歴史に興味を持ち始めました。特にフランス革命の時期に関心を抱きました。その後、大学では政治学を学びましたが、歴史的方法論で政治学をさらに学びたいと考えました。関心を持った時代はフランス革命から現代へと移行しましたが、対象がフランスであることに変わりはありませんでした。そのようなわけで大学院に進学したわけです。

宮下 雄一郎 教授02

先生の研究テーマを教えてください

国際秩序の構想をめぐる政治について研究しています。政治エリートは、理想の国家像のみならず、理想の国際秩序についても構想を練ります。しかし、それはあくまでも理想であり、まだ存在しない秩序です。現実は異なるのです。その理想を実現する、あるいは一歩近づけるためにいかなる政治や外交を展開するのか。こうした論点に基づき、研究をしております。あと、戦後フランスと日本をめぐる関係についても研究を進めております。

研究のやりがい、醍醐味を教えてください

一番の醍醐味は、自分の研究が書籍としてまとまった時です。個々の論文として公表されるのも嬉しいですが、やはり書籍としてかたちになった時には万感の思いがこみ上げてきます。あと、史料館に行き、史料を分析し、そうした作業から新たな事実や視点が見つかった時も嬉しいです。

先生が考える大学院で学ぶことの意義は

先行研究を尊重したうえで、独自の研究成果を出すこと。自らのアイデンティティーの一部として吸収できるような研究テーマを見つけること。

先生の担当される講義の特色を教えてください

既存研究を学び、そこから自らの研究に資するための方法論上のヒントを見つけることを目指します。あとは外国語の一次史料に触れ、それを解釈できるようになることを目指します。

先生の考える国際政治学とは

人間が存在するからこそ、政治があるのであり、国際政治が成り立つのです。国際政治学の重要なテーマである「戦争と平和」はすぐれて人間的な営みです。国際政治学とは人間について理解しようとする学問の一つであり、あるいは人間を取り巻く様々な環境について探究する学問だと思います。

お仕事以外ではどんな週末を過ごしていますか

ジョギング等、運動をするようにしております。あとは原稿の執筆や講義の準備に時間を費やしております。

どんな学生に来てほしいですか

自らが選んだ研究テーマを論文として完成させることに意義を見出すのは当然のことながら、知性や教養を深めることに意義を見出す学生を歓迎いたします。