ホーム > 教授一覧 > 浅見 靖仁
経歴:
1984年東京大学教養学部国際関係論分科卒業。1986年タマサート大学大学院経済学研究科修士課程修了、1987年東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了、1990年~93年、ハーバード大学大学院政治学研究科博士課程留学。93年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学、93年4月~94年9月、東京大学教養学部助手、94年10月~2015年3月、一橋大学社会学部及び一橋大学大学院社会学研究科で、専任講師、助教授、教授。2015年4月に法政大学法学部国際政治学科に着任。
特にこれといった「きっかけ」はなかったような気がします。劇的な「きっかけ」がなくても、何とかなることもありますので、何かすごい「きっかけ」が来るのを待たずに、特に明確な理由はなくても、何となくやってみたいと思ったことをとりあえずやってみるのもいいかもしれません。
研究テーマは、東南アジア諸国の民主化、東南アジア諸国の社会経済開発、東南アジア諸国の社会保障制度、東南アジアにおける平和構築などです。東南アジアに関することならほとんどすべてのことに関心があります。研究者としては、東南アジアの中でも特にタイを専門としていますが、授業ではタイ以外の東南アジアの国々についても扱います。
自分の研究成果が、少しでも他の人たち、特に東南アジアの人たちの役に立てば、それが醍醐味なのだろうと思いますが、残念ながら私はその醍醐味をまだ味わってはいません。醍醐味はなかなか味わえなくても、そのうち少しは味わえるかもしれないと夢想しながら、東南アジアのいろいろな地域を訪れて、いろいろな人と会って話をしたり、それまで知らなかったことを知ったりするだけでも十分にやりがいを感じられます。
◯◯についてもっと知りたいとだけ考えている人はもしかすると大学院には向いていないかもしれません。ただ単にもっと知りたいだけなら、自分で本や論文を読めばいいでしょう。それぞれのテーマについて、どのような本や論文を読んだらいいかを解説している本や論文も結構あります。◯◯についてもっと知りたいというだけでなく、それについて誰かと語り合いたいという人の方が大学院での勉強に向いていると思います。大学院でインプットだけをしていてもあまり面白くないです。大学院では、本や論文を読むだけではなく、自分でも論文を書いたり、あるいは論文は書かなくても、自分の意見を授業の中で述べたり、他の人の意見に反論したりして、アウトプットを是非してください。
大学院の講義は少人数の講義なので、できるだけ受講生の問題関心にあったテーマをとりあげるようにしています。Reading assignmentは、原則として英文の論文を用います。授業では、受講生にできるだけ語ってもらうようにしています。
たぶん他の先生たちが考える国際政治学と大体同じです。何か付け加えるとすれば、国際政治学は、料理をする時の包丁のようなものです。いい料理を作るためには、いい包丁があった方がいいですが、包丁だけではいい料理は作れません。いい素材と、誰かのためにいい料理を作りたいという気持ちも必要です。国際政治についての分析も同じようなもので、国際政治学の理論だけでは、いい分析はできません。やはりいい素材と誰かのためにいい分析をしたいという気持ちが必要です。とはいえ、素材と気持ちだけでは料理は作れないように、国際政治の分析も、素材と気持ちだけではうまくできないので、国際政治について分析をしたいなら、少しは国際政治学を勉強した方がいいです。
いろいろな夢を見て過ごしています。
よく笑う学生に来て欲しいです。でもあまり笑わない学生も受け入れます。