FUKUDA Madoka福田 円 教授

経歴:
慶應義塾大学政策・メディア研究科後期博士課程単位取得退学、博士(政策・メディア)

専門領域:
アジア国際関係、中国外交、中台関係

研究テーマ:
中国と台湾の関係史および現状分析、中国外交と国際環境の相互作用

主要研究業績:
『中国外交と台湾』(慶応義塾大学出版会、2013年)
『日中関係史1972-2012 Ⅰ 政治』(共著、東京大学出版会、2012年)
『現代中国外交の六十年』(共著、慶応義塾大学出版会、2011年)

福田 円 教授

担当科目

アジア比較政治論、アジア国際政治史、アジア国際関係研究1・2

専門分野

アジア国際関係、中国外交、中台関係

研究テーマ

台湾政治・社会の変容と中国の対台湾政策

中国の内政および国際環境と対外政策の連関

日中関係と日台関係

研究者になろうと思ったきっかけは

異なる政治体制の国家が様々な政治的争点を抱える東アジア国際政治においては、研究者による対話や交流が国家間の関係改善や問題解決、ひいては地域協力の発展に寄与しうる場面が多々あることを知り、研究者を志すようになりました。私が専門とする中台関係、日中関係、日台関係などは、東アジア国際政治のなかでもとくに、それぞれの歴史や現状に精通する研究者の活躍と対話が求められている領域ではないかと考えています。

福田 円 教授02

先生の研究テーマを教えてください

私の中心的な研究テーマは中国と台湾の関係で、いくつかのサブ・テーマに分かれています。一つ目は、戦後東アジア国際政治のなかで中国と台湾がどのような関係にあったのかを論じる、関係史の研究です。中国、台湾、および関係諸国において公開される公文書を丹念に読み解き、それぞれの指導者の認識や関係諸国との交渉の実態を解明しようとしています。二つ目は、現在の中国と台湾の関係がどのような局面にあり、今後はどうなっていくのかを論じる現状分析です。この研究では、中台の関係機関や政策決定者の公式な発言を分析することに加え、関係者へのインタビューなどのフィールドワークも重視しています。三つ目は、こうした中台関係の過去と未来を繋ぐフレームワークの構築です。フレームワークの構築には他分野との対話が欠かせず、他の分断国家との比較研究などに関心をもっています。

研究のやりがい、醍醐味を教えてください

研究の醍醐味は、史料を収集し読み解いたり、現地を歩いてインタビューを行うなどの地道な作業が、やがて新しい発見や論理の構築に繋がることです。そして、そのような新たな知見をもって、他の研究者との対話が可能となることでやりがいを感じることができます。

先生が考える大学院で学ぶことの意義は

大学院では、学部での学びをさらに深め、自身の問題関心を突き詰めて考えることができます。研究者志望の方もそうではない方も、大学院での学びを通して、今後の職業において重要となる論理的な思考と表現の方法、対話のマナーなどを養うことができるでしょう。

先生の担当される講義の特色を教えてください

大学院の講義では、文献をしっかりと読むこと、その文献を批判的に検討したうえで、論理的に議論することを重要視しています。また、大学院の学生は既に個々の研究テーマがありますので、授業で扱うトピックと個々の研究テーマを結びつけられるように、私の方でもできるだけ工夫しています。

先生の考える国際政治学とは

現在、私たちが直面している様々な問題を読み解いたり、解決したりするために、対話を行う学問です。過去と未来、異なる地域や国家などを対話させることで、問題解決の糸口を見出すことができるのではないでしょうか。

お仕事以外ではどんな週末を過ごしていますか

料理をするのが好きです。週末に時間がある時は、普段よりも時間をかけて料理をし、家族と話をしながら、ゆっくりと食事をすれば、元気が出ます。

どんな学生に来てほしいですか

結果としてそれが変わってしまってもいいので、明確な問題意識や取り組みたいテーマを持って、大学院に来て欲しいと思います。そして、その問題意識やテーマに関しては、主体的に様々な文献を読んだり、資料を探したりして欲しいです。