HONDA Miki本多 美樹 教授

経歴:
成蹊大学卒業後、英字紙ジャパンタイムズ記者として勤務。その後、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際関係学修士課程修了、同大学院にて博士後期課程修了。博士(学術)。早稲田大学社会科学総合学術院准教授を経て、2017年4月に法政大学法学部国際政治学科教授に着任。

主要研究業績:
『経済制裁の研究:経済制裁の政治経済学的位置づけ』(共著、志学社、2017年)
『東南アジアの紛争予防と「人間の安全保障」』(共著、明石書店、2016年)
『国連による経済制裁と人道上の諸問題:「スマート・サンクション」の模索』(国際書院、2013年)
『北東アジアの「永い平和」:なぜ戦争は回避されたのか』(勁草書房、2012年)
“UN Targeted Sanctions and Human Rights: Emerging legal challenges and political concerns,” Waseda Studies in Social Sciences, Vol. 17, No. 2, March 2017

本多 美樹 教授01

担当科目

非伝統的安全保障研究、地球規模課題政策研究、国際政治理論特研演習

専門分野

国際関係論、国際機構論、伝統的・非伝統的安全保障

研究テーマ

国際社会による平和のための強制措置とそのプロセスにおける多様な行為主体(アクター)の協働と確執

アジア太平洋地域における伝統的・非伝統的安全保障

研究者になろうと思ったきっかけは

新聞記者時代にはじっくり時間をかけて物を書く時間が持てなかったので、国際関係をもっと深く掘り下げて研究したいと思い、大学院に入りました。当初は博士後期課程に進むことを考えていなかったのですが、興味を深めたいと思う対象がはっきり見えてきたことと、先輩研究者の方々の研究対象への熱意や姿勢に刺激を受けたことから、自分もこの道を歩いています。

本多 美樹 教授02

先生の研究テーマを教えてください

「国際社会による平和のための強制措置とそのプロセス」に関心をもっています。「平和」は、外からの力によって創出されるものではないので「平和のための強制措置」とは何とも奇妙なタームですが、現実の国際社会では、秩序を回復、維持するために軍事力や経済力などが行使され、介入や制裁などの強制的な措置が用いられています。当事者以外のアクターによって外から進められる「平和」の回復、維持、構築とは一体何なのか――、国連をはじめとする国際機構の役割を中心にこの研究を進めています。国際秩序の回復・維持のための強制措置の効果の追求と人道的な配慮という容易には両立しない目的をいかに両立させるのかという国際社会が抱えるジレンマを今後も観察しつづけていきたいと思っています。

研究のやりがい、醍醐味を教えてください

他の研究者の方々が積み上げられた研究を整理していると、この領域に自分の研究が貢献できる余地はあるのだろうかと落ち込んだりもします。それでも、また沸々と興味が湧いてきて向き合ってしまうところでしょうか。簡単に答えの出ないようなことをあれこれと考えた末に、やがて論文として形を成すなど、やりがいへと繋がっていきます。自分の興味を追求できるのは幸せです。

先生が考える大学院で学ぶことの意義は

大学院で過ごす時間は自分の興味のあることに没頭てできる貴重で素晴らしい時間だと思います。たくさん文献を読んだり、教授陣や他の学生と議論をすることによって、きっと何かが見つかります。

先生の担当される講義の特色を教えてください

安全保障研究というと、国家間の軍事的な事象の研究が主流ですが、経済危機、感染症、難民・避難民問題、環境問題、エネルギー問題など、非軍事的なものも国家にとっての脅威となっていることは現実です。そのような非軍事的(非伝統的)安全保障の問題にさまざまなアクターがどのように工夫を凝らして解決しようとしているのかについて、理論と実践の両面からアプローチします。

先生の考える国際政治学とは

現国際社会で起きている事象を観察するためのツールのひとつです。

お仕事以外ではどんな週末を過ごしていますか

研究とそれ以外の活動の境界があいまいで、ほとんど何か研究関連のことをしていますが、家族と旅行に行ったり、食事に行くことも休日の楽しみです。

どんな学生に来てほしいですか

研究対象に対して真摯に向き合う姿勢をもっている方、興味の追求に貪欲な方に来ていただきたいです。