YUGE Akiko弓削 昭子 教授

学歴:
コロンビア大学バーナード・カレッジ教養学部卒業、ニューヨーク大学大学院修士課程(開発経済学)修士号取得

職歴:
国連勤務歴30年。そのうち12年はタイ、インドネシア、ブータン王国で国連開発計画(UNDP)駐在事務所に勤務し、開発途上国の現場でさまざまな援助事業の企画、調整、実施にあたった。ブータン王国ではUNDP常任代表と国連常駐調整官(UN Resident Coordinator)を兼任して、すべての国連機関による開発援助活動を総括するとともに、同国政府や国連以外の国際機関・NGOなどとの調整役を担った。UNDPの駐日代表を経て、UNDPニューヨーク本部管理局長・国連事務次長補を2006年から5年半にわたって務め、組織の効率性・透明性を高めるための改革を進めるとともに、他の国連機関との協調関係を促進することによって、国連システムの一貫性と効率化を高めることに貢献した。2012-2013年はUNDP駐日代表・総裁特別顧問を務めた。

担当科目:
国連・平和構築研究1・2、持続可能な開発のための教育(ESD)、JICA寄付講座、国際機関講座、総合講座・国際協力講座

専門領域:
国際機構論、国連システムの平和構築と開発活動

研究テーマ:
国連システムにおける平和構築と開発活動

弓削 昭子 教授01

研究者になろうと思ったきっかけは

キャリアの大半を国連開発計画(UNDP)職員として、途上国の現場で多くの開発協力プロジェクト、ニューヨーク本部で開発政策・戦略の策定に関わった。そして駐日事務所ではUNDPと日本政府や日本のさまざまなパートナーとの対話と連携の拡充につとめてきた。現場を離れた今、実践の経験を体系的に分析し、現在進行形の国際開発・平和構築の援助潮流と合わせて考えたい。同時に、現場で起こっている国際開発・平和構築の課題について次世代を担う若者と議論し、共に考え、彼らが国際社会で活躍できるようサポートしたい。

弓削 昭子 教授02

先生の研究テーマを教えて下さい

国連システムにおける平和構築と国際開発活動

研究のやりがい、醍醐味を教えて下さい

多くの文献、インタビュー、議論を通じて新しい視点が見えてきた瞬間の知的興奮。そして、さらに議論を重ねることによって、次のステージにつながる「ひらめき」を感じた時。

先生が考える大学院で学ぶことの意義は

自分が関心のある分野・トピックに関する探求のレベルをさらに高めることで、今まで見えていなかったものが見えてくること。そして、深まった理解を自己実現(self-growth, self-realization)とキャリア構築につなげていく。

先生の担当される講義の特色を教えてください

国連職員として働いた現場の経験にもとづき、理論と実践を組み合わせた授業。グローバル化が進む国際社会で変化し続ける地球規模課題への取組や国連機関を含むさまざまなアクターの役割・活動について幅広い視点から考察する。世界の平和と開発の諸問題に取り組む上には、さまざまなアプローチがあることを踏まえ、多様な意見を交えた活発なディスカッションを授業の核としている。地球規模の平和と開発の議論に関わるためには、国際社会の共通語となっている英語によるコミュニケーションが必須である。したがって、授業は専門分野の研究を深めるのと同時に英語力の向上もはかるため、英語で行う。

先生の考える国際政治学とは

地球規模課題へのアプローチは包括的、かつ幅広い視点からの取組と、政府・国際機関・市民社会・民間企業・教育研究機関を含む多様なアクターの参画が必要である。これらのアクターが展開・支援する平和構築や経済社会開発活動に関連する対話やグローバル・ガバナンスに関する動きや議論がおもしろい。

お仕事以外ではどんな週末を過ごしていますか

友人との会食、映画鑑賞、ジャズなど。

どんな学生に来てほしいですか

国際社会の課題に関心があり、open mindでそれらの課題について広い視点から考え、自分の考えをしっかりとまとめ、発言していける人。Let`s discuss the various issues facing our world and learn together!