GOTO Kazumi後藤 一美 教授

1969年3月 慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、30年間(1969年4月~1999年8月)にわたり 海外経済協力基金(OECF)に勤務[うち海外勤務:ロンドン大学LSE大学院研究留学、ジャカルタ駐在、世界銀行ワシントン本部勤務、ロンドン初代所長の四回通算10年間][OECF本部:企画担当審議役(Special Advisor to the President)・開発援助研究所副所長(Managing Director)等を歴任]。1999年9月法政大学法学部教授就任、現在に至る。法学部国際政治学科および大学院政治学研究科国際政治学専攻(G-GAP)の新設に尽力。2014年度および2015年度「学生が選ぶベスト・ティーチャー賞」二年連続受賞。(2015年度は「最高投票数獲得賞」および「授業の運営を工夫している部門賞」受賞)(2017年3月定年退職予定)

担当科目:「国際協力政策研究1・2」「JICA寄付講座」「総合講座:国際協力講座」

専門分野:国際協力論、開発援助政策論、グローバル・ガバナンス研究

所属学会:国際開発学会、日本国際政治学会、アジア政経学会、日本政治学会、日本計画行政学会。

後藤 一美 教授01

研究者になろうと思ったきっかけは

援助業務に従事していた前職期間中から、配属部署・勤務地の如何にかかわらず、実務と研究の二足のわらじ。援助機関に30年間勤務した以降は、後進に道を譲りつつ、次世代を担う若者の育成に余生を捧げようと決意。ロンドン駐在から帰国した某月某日、昔学会でお目にかかった鈴木教授(当時)にお電話したのが、現職に至るきっかけ。人生は出会いなり!

後藤 一美 教授02

先生の研究テーマを教えてください

国際開発協力のトータル・システムに関する政策研究(地球規模問題群のうち特に国際開発問題に関し、グローバル・ガバナンスの観点から、主要アクター[主権国家・国際機関・地球市場・市民社会]の取組みを理論的・実証的に分析することにより、より有効な国際開発協力のあり方を考察・提言しようとするもの)。

後藤 一美 教授03

研究のやりがい、醍醐味を教えてください

いまだ誰もやっていないフロンティアな分野・テーマを未来先見能力をもってほくそ笑みながら取組む面白さ。また、自分の研究成果や政策提言の内容や方向が徐々にせよ現実のものになってゆく醍醐味。さらに、「夢追うものは夢をもつかむ」をモットーに、若者たちが地球を舞台に活躍する姿に接する満足感。

先生が考える大学院で学ぶことの意義は

もし世界が100人の村だったら、大学(大学院を含む)で学べる人は、たったひとり。その選ばれたチャンスと責任感と各人の「志」を再確認しながら、「10年サイクルの夢」を実現するための孵卵器として大学院を有効活用するとともに、より善い世界を実現するために必要な「実践的道具」を身につける意義は大きい。

先生の担当される講義の特色を教えてください

(1)「Smart」「Speak」「Speed」の三点セットを身につける訓練。

(2)「開発」と「援助」を見る目を研ぎ澄ます方法論の習得と実践。

(3)「開発」と「援助」の実態(教科書には書かれていない現実)を教授。

後藤 一美 教授04

先生の考える国際政治学とは

現代の世界には、グローバリゼーションの嵐が吹き荒れる。うたた寝から覚まされたローカリゼーションの波頭が鎌首をもたげ時として牙をむく。海図なき航海をさまよう現代世界。乗組員は、主権国家、国際機関、地球市場、市民社会からなる多様なアクター。彼らが思い描くより善い世界とは同床異夢。ヒューマニズムとエゴイズムの両性具有の国際政治が舵を取る。一見きれい事のように見える国際協力の実態は、様々な利害のからむ政治的プロセス。構想力・交渉力・行動力を発揮しながら、新たな選択肢と可能性の発見が求められる世界。グローバル時代における「政治(POLITICS: Who Gets/Loses What, When and How)」をめぐる「統治と共生」のための「技と知恵」としての「国際政治学」が担うべき役割には大きいものがあるといえよう。

お仕事以外ではどんな週末を過ごしていますか

スポーツとしては、流水ウォーク(約30年にわたるダイバーとしては、いまや陸に上がった河童)。趣味としては、写真撮影・加工・編集(長年にわたって蒐集した不思議の国・鏡の国の「アリス」関連書籍やグッズは、いまや晴海の倉庫で休眠中)。・・・といいつつ、休日は目が覚めると、いつも太陽が西に傾いています。

どんな学生に来てほしいですか

「Vision」「Mission」「Passion」「Action」をもって「Something New」をやってみたいと思うあなた!夢追うものは夢をもつかむ!